長谷川 時雨

四人の兵隊

出征文人の一員、林芙美子のリユツクサツクのなかへはいつて[#「はいつて」は底本では「はついて」]、わたしの心持も行くといふと奇矯にきこえるが、わたくしの兵隊さん慰問文が、おぶつていつてもらふことになつた。思ひがけない嬉しさなので、どうしてもそのことから書かなければ氣がすまない。

芙美子は電話で優しくいつてくれた。五通ばかりお書きなさい。よい場處へ、畫鋲で貼つて來てあげます。

それをきいた時の感は、迦陵頻伽の聲とは、かうもあらうかと忝けなかつた。含みのある、美しき情に富んだ聲音――きくうちに、わたしの心は、花が開くときもまたかうもあらうかと思ふ、和らぎにみたされた。

――好い娘をもつた。

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