堀 辰雄
プルウスト雑記
一
一九三二年七月七日
今朝、僕はこんな夢を見た。
僕はひとりで活動小屋にはひつた。僕はうつかり眼鏡を忘れてきたことに氣がついた。いつもなら活動小屋の一番後の席に坐るのだが、しやうがないので僕はずつと前の方へ出て行つた。さうしたら、やつとスクリインの繪が見え出した。それにはなんだか妙に美しい色彩がついてゐた。そして沙漠のやうなところで獸めいたものが格鬪してゐるのだつた。……
堀 辰雄
一
一九三二年七月七日
今朝、僕はこんな夢を見た。
僕はひとりで活動小屋にはひつた。僕はうつかり眼鏡を忘れてきたことに氣がついた。いつもなら活動小屋の一番後の席に坐るのだが、しやうがないので僕はずつと前の方へ出て行つた。さうしたら、やつとスクリインの繪が見え出した。それにはなんだか妙に美しい色彩がついてゐた。そして沙漠のやうなところで獸めいたものが格鬪してゐるのだつた。……