平林 初之輔

伊豆の国にて

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文壇の人にあうと探偵小説をすいている者が多いようである。『新青年』四月号のマイクロフォンを見てもその一班が知れる。ところが探偵小説の作者や翻訳者の中には、探偵小説にあきたりない感じをもっている人が少なくとも少しはある。江戸川乱歩氏はときどきそういう口吻を洩らす。延原謙氏も探偵小説でないものが翻訳してみたいというような口吻を洩らしたことがある。少なくも短銃物は真っ平だと考えている人はそうとう多い。挿画にでもピストルはかきたくないと松野氏も言っていたように記憶する。

「文壇小説」も「探偵小説」もひとしく行き詰まって新局面の打開を求めているらしいことが、双方の陣営から起こる嘆声によりてうかがわれるように思う。

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青空文庫の作品カード