小酒井 不木

按摩

コホン、コホンと老按摩は彼の肩を揉みながら、彼の吸う煙草の煙にむせんで顔をしかめた。少し仰向き加減に、首と右肩との角度を六十度ぐらいにして居るところを見ると、生れつきの盲人であるらしい。

郊外の冬の夜は静である。

「旦那はずいぶん煙草ずきですねえ。三十分たたぬうちに十本あまりも召し上ったようですねえ」

と、彼は狡猾そうな笑いを浮べて言った。

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