宮沢 賢治
あけがた
おれはその時その青黒く淀んだ室の中の堅い灰色の自分の席にそわそわ立ったり座ったりしてゐた。
二人の男がその室の中に居た。一人はたしかに獣医の有本でも一人はさまざまのやつらのもやもやした区分キメラであった。
おれはどこかへ出て行かうと考へてゐるらしかった。飛ぶんだぞ霧の中をきいっとふっとんでやるんだなどと頭の奥で叫んでゐた。ところがその二人がしきりに着物のはなしをした。
おれはひどくむしゃくしゃした。そして卓をガタガタゆすってゐた。
宮沢 賢治
おれはその時その青黒く淀んだ室の中の堅い灰色の自分の席にそわそわ立ったり座ったりしてゐた。
二人の男がその室の中に居た。一人はたしかに獣医の有本でも一人はさまざまのやつらのもやもやした区分キメラであった。
おれはどこかへ出て行かうと考へてゐるらしかった。飛ぶんだぞ霧の中をきいっとふっとんでやるんだなどと頭の奥で叫んでゐた。ところがその二人がしきりに着物のはなしをした。
おれはひどくむしゃくしゃした。そして卓をガタガタゆすってゐた。