宮沢 賢治

沼森

石ヶ森の方は硬くて瘠せて灰色の骨を露はし大森は黒く松をこめぜいたくさうに肥ってゐるが実はどっちも石英安山岩だ。

丘はうしろであつまって一つの平らをこしらへる。

もう暮れ近く草がそよぎ防火線もさびしいのだ。地図をたよりもさびしいことだ。

沼森平といふものもなかなか広い草っ原だ。何でも早くまはって行って沼森のやつの脚にかゝりそれからぐるっと防火線沿ひ、帰って行って麓の引湯にぐったり今夜は寝てやるぞ。

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