三宅 やす子
買ひものをする女
買ひものといふ事は、女性とは大変に密接な関係があるやうである。買ひものをする女の心持や態度は、千種万様である。
娘の頃は学用品や身の廻りの一寸した買物、女学校でも卒業すると、反物の選び方に腐心するやうになるが、家庭にはいつて、買物の範囲はグツとひろめられて来る。
新家庭時代、少くともそれから暫くの間は八百屋、魚屋、それから醤油はどれがよいとか、紙は何が徳用だとか云ふやうなこま/″\した買物に興味を持つ時代もあるが、次第にこれが日常の常習になつてしまふと、定りきつた面倒なものとなつてしまふ。
それよりも、日常の生活の必需品でないもの、生活品の中でも、菓子、果物というやうになれば、そこに選択の余地があつて少し許りの興味はひく。けれど、女性が一番楽しみを交へて、といふよりは楽んで買ふのは、やはり服装に関した品物であらう。