種田 山頭火

三八九雑記

なんとなく春めいてきた、土鼠がもりあげた土くれにも春を感じる。

水のいろも春めいたいもりいつぴき

 私もこのごろはあまりくよくよしないようになった。それはアキラメでもなければナゲヤリでもない、むろんサトリでもない、いわば、老のオチツキでもあろうか。

近眼と遠眼とがこんがらがってきたように、或は悠然として、或は茫然として、山を空を土を眺めることができるようになった。放心! 凝心もよいが放心もわるくないと思う。

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