種田 山頭火

行乞記

七月十四日

ずゐぶん早く起きて仕度をしたけれど、あれこれと手間取つて七時出立、小郡の街はづれから行乞しはじめる。

大田への道は山にそうてまがり水にそうてまがる、分け入る気分があつてよい、心もかろく身もかろく歩いた。

行乞はまことにむつかしい、自から省みて疚しくない境地へはなか/\達せない、三輪空寂はその理想だけれど、せめて乞食根性を脱したい、今日の行乞相は悪くなかつたけれど、第六感が無意識にはたらくので嫌になる。

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