大町 桂月

国府台

烟分二遠樹一幾層横。脚下刀河晩忽明。捲レ地風來枯葉走。伯勞吐レ氣一聲々。

 苦吟漸く成る。何となく、うれし。ひとりにて飮む酒も、一種の味を生ず。詩は、よかれ、あしかれ、出來れば、うれしき也。苦しめば、苦しむほど、猶ほうれしき也。

余は、國府臺の上、掛茶屋に腰かけ、杯を手にして、夕べの景色を眺め入れる也。ふと思ふに、この詩は、四つの俳句を一つの詩に集めたるやうなり。一つ俳句になほして見むとて、

一峯の數峯になりて時雨れけり

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