種田 山頭火

行乞記

九月十一日

広島尾道地方へ旅立つ日だ、出立が六時をすぎたので急ぐ、朝曇がだん/\晴れて暑くなる、秋日はこたえる、汗が膏のやうに感じられるほどだ。

中関町へ着いたのは十一時過ぎ、四時頃まで附近行乞。

六時、三田尻の宿についた、松富屋といふ、木賃二十五銭でこれだけの待遇を受けては勿躰ないと思ふ。

青空文庫の作品カード