田山 花袋・田山 録弥

石窟

一

そこに来た時には、二人は思はずはつとした。大きなものに――何とも言はれない大きなものに打突かつたやうな気がした。かれ等はかうしたものが此の山の中にあらうとは思はなかつた。

「む、む――」

暫くしてから洋画家のAは唸るやうな声を出した。

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