石川 三四郎

蒼馬を見たり

芙美子さん

大空を飛んで行く鳥に足跡などはありません。淋しい姿かも知れないが、私はその一羽の小鳥を訳もなく讃美する。

同じ大空を翔けつて行くやつでも、人間の造つた飛行機は臭い煙を尻尾の様に引いて行く。技巧はどうしても臭気を免れません。

大きくても、小さくても、賑やかでも、淋しくても、自然を行く姿には真実の美がある。魂のビブラシヨンが其儘現はれる。それが人を引きつけます。それが人の心をそそります。

青空文庫の作品カード