三好 十郎
抵抗のよりどころ
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私は妙なところからはじめます。
いま私はすこし長い戯曲にとりかかっていますがそれを書きあげても発表する場所の目あてがないので困っています。以前からそうですが、敗戦後はじつに徹底的に、日本の諸雑誌は戯曲作品をのせることを毛ぎらいします。理由は、編集者たちの好みや偏見からくる小説偏重の習慣もあるだろうし、ページ数をとりすぎるという点もあろうし、戯曲作家たちが良い作品をあまり書きえないこともあるだろうし、読者が戯曲形式をよろこばないと思われている等々のようです。
どの理由も反ばくしようと思えばできるが、しかし反ばくしても仕方のない、また完全には反ばくできない理由ばかりです。なかでも最後の、読者がよろこばぬという理由がいちばん痛い。