長谷川 時雨

旧聞日本橋

金持ちになれる真理となれない真理――転がりこんで来た金玉を、これは正当な所得ではございませんとかえして貧乏する。いまどきそんなことはないかもしれないが、私のうちがそれだった。

御維新のあとのごたごたが納まっても、なかなか細かしいことは何時までも残っていたのであろう。転がりこんで来た金玉を押返してしまった人たちが、ある日こんなことをいっていた。

「たいした土地になった。」

「だからとっておおきになればいいのに。」

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