マクラウド フィオナ

海豹

神がコラムを永遠の宴に召される一年ほど前のことである、[#「ことである、」は底本では「ことである。」]ある夜、兄弟たちの中の最年少者「雀斑」とあだなされたポウルが彼のもとに来た。

「月が星のなかにあります、おおコラムよ、きょう神と共にある老ムルタックは、神とあなたのお心どおり、島の東端のかわいた砂の深みに葬られます」

そこで聖者は疲れねの床から起きあがり、ムルタックの葬られたところに行って、その場所を祝福した、地に這う虫もいかなる生物も聖き死者に触るるなと命じた。彼は言った「ただ神のみが、神のみが御手ずから造りたまいしものを奪りたまえ」

帰るみちすがらねむけが去ってしまった。海のうつくしい潮の香がコラムの鼻に入った、彼は体じゅうの血管に波が走るのを聞いた。

青空文庫の作品カード