マクラウド フィオナ

剣のうた

ロックリンの海賊どもがヘブリッド島の鴉に餌じきを与えた時から三年目の、しろき六月とよばれる月に、夏の航海者たちは又もスカイの海峡を下って来た。

東風が山からあたらしく吹いて来た、明方と日の出ごろとのあいだにその風は向きを変えてクウフリンの岩の峯に触れて冷されて、やがて西北に向いて、風あしの白い泡をうしろから太陽のきらめきに捕えさせながら、飛んで行った。

「スヴァルト・アルフ」に乗っていた海賊たちはそれを見て笑った。水のしぶきは大船のまがりくねった黒い船首から飛び散って、船の跡はまぶしい光の中に躍った――その人たちが好んでいた海のクリームを今見ることができた。

彼等は丈たかく美しい男たちだった。髪は黄ろいのも金いろのも、赤いのもあったが、それを編んでいる人もあり、あるいは、四月の栗の樹のつぼみが一時に咲き乱れたように捲毛のままで垂らしている人もあり、あるいは、風と潮との渦に巻かれた海草のように乱れたままで肩に散らばしているのもあった。彼等の青い眼はそのうしろに白熱の焔の炬光があるように輝いて、その輝きは、その人たちの頭を満すものが家であるか血であるかによって、優しくも激しくもなった。

青空文庫の作品カード