北大路 魯山人

胡瓜

今日では温室栽培の向上によって、くだもの、野菜など季節がなくなってしまった。早晩、俳諧歳時記など書き改めねばならなくなりそうだ。とはいっても、やはり旬のものに越したことはない。

あえてきゅうりにはかぎらないが、旬がうまいということは、今も昔も変わらない。

しかし、促成野菜を味なきもののようにいうのは、促成野菜の価値を認識しない批評であって、促成野菜は、いわゆる旬のものにない味わいを持っている。従って、軽々に取り扱うのは考えものである。

昔は旬のきゅうりという一つのものであったが、今日では促成野菜というものができて、きゅうりもなすも二種類になっているわけである。その他にも一が二になっている促成野菜というものは多種多様に発明されている。

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