北大路 魯山人

料理の第一歩

一人の男がいた。女房が去った後は独りで暮らしていた。その男はこんなことを考えた。

「まず土地を見つけることだ。よく肥えた土地を。そしてそこへ野菜を植えるのだ。毎日野菜が食べられるぞ」

けれど、男は土地を探すことをしなかった。家の中でごろごろしていた。それでも、おなかがすいてくるので、パンをかじった。男はあくる日、こんなことを考えた。

「野菜もいいが、牛を飼うのだな。そして、豚も飼うのだな。おいしい肉が食べられるぞ」

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