大町 桂月
足柄の山水
一 自稱判者
足柄山へとて、天野長川をつれて、新橋より汽車にのりけるが、何十度となく通過せる路なれば、送る水、迎ふる山、最早めづらしくも無し。地圖をひろげて見入りけるに、長川も同じく地圖をひろぐ。その地圖の裏面に細字にて書きならべたるを、何かと手に取りて見れば、足柄山に關する古歌をかき集めたる也。試みに歌合にして見むとて、嗚呼がましくも、自稱判者となる。
右 勝大江廣房
行末も跡もさながら埋もれて
大町 桂月
一 自稱判者
足柄山へとて、天野長川をつれて、新橋より汽車にのりけるが、何十度となく通過せる路なれば、送る水、迎ふる山、最早めづらしくも無し。地圖をひろげて見入りけるに、長川も同じく地圖をひろぐ。その地圖の裏面に細字にて書きならべたるを、何かと手に取りて見れば、足柄山に關する古歌をかき集めたる也。試みに歌合にして見むとて、嗚呼がましくも、自稱判者となる。
右 勝大江廣房
行末も跡もさながら埋もれて