片山 広子

林檎のうた

麦の芽のいまだをさなき畑に向く八百屋の店は一ぱいの林檎

深山路のもみぢ葉よりも色ふかく店の林檎らくれなゐめざまし

立ちて見つつ愉しむ心反射して一つ一つの林檎のほほゑみ

みちのくの遠くの畑にみのりたる木の実のにほひ吾を包みぬ

青空文庫の作品カード