相馬 泰三
野の哄笑
型の如く、青竹につるした白張の提灯、紅白の造花の蓮華、紙に貼付けた菓子、雀の巣さながらの藁細工の容物に盛つた野だんご、ピカピカ磨きたてた真鍮の燭台、それから、大きな朱傘をさゝせた、着飾つた坊さん、跣の位牌持ち、柩、――生々しい赤い杉板で造つた四斗樽ほどの棺桶で、頭から白木綿で巻かれ、その上に、小さな印ばかりの天蓋が置かれてある。棺台に載せて、四人して担いだ。――そして、そのあとから、身寄りのもの、念仏衆、村のたれかれ、見物がてらの子守ツ子たちがぞろ/\と続いた。
チン! カン! ボン!
念仏衆の打ちならす小、中、大の鉦の音が静かに、哀しげに、そして、いかにも退屈さうに響いた。行列は、それに調子を合せてでもゐるかのやうに、のろ/\と、哀しげに、そしていかにも怠儀さうに進んだ。
誰もが、唖ででもあるやうに、重苦しく押黙つてゐた。