松崎 天民

友人一家の死

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K君――――。

物価暴騰の声に、脅やかされているばかりが能ではない。時には遊びの気分に浸って、現実の生活苦を忘れようではないか。――僕達はこうした主旨から、大正八年七月川開きの夜を、向島の百花園で、怪談会に興じた。

泉鏡花氏、喜多村緑郎氏の他、発起人として尽力したのは、平山蘆江氏や三宅孤軒氏などであった。七夕祭の夜、喜多の家の茶荘に招かれた時、平山君や僕から言い出した催しとて、趣向の事や人の寄りなどに就いては、人知れず苦労していた。しかし世間には、同趣味の人達が多いと見えて、三十人か五十人、多くて七十人位であろうとの予想は外れて、当夜になると百五十人からの参集者があった。

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