小川 未明
青い時計台
一
さよ子は毎日、晩方になりますと、二階の欄干によりかかって、外の景色をながめることが好きでありました。目のさめるような青葉に、風が当たって、海色をした空に星の光が見えてくると、遠く町の燈火が、乳色のもやのうちから、ちらちらとひらめいてきました。
すると毎日、その時分になると、遠い町の方にあたって、なんともいえないよい音色が聞こえてきました。さよ子は、その音色に耳を澄ましました。
「なんの音色だろう。どこから聞こえてくるのだろう。」
小川 未明
一
さよ子は毎日、晩方になりますと、二階の欄干によりかかって、外の景色をながめることが好きでありました。目のさめるような青葉に、風が当たって、海色をした空に星の光が見えてくると、遠く町の燈火が、乳色のもやのうちから、ちらちらとひらめいてきました。
すると毎日、その時分になると、遠い町の方にあたって、なんともいえないよい音色が聞こえてきました。さよ子は、その音色に耳を澄ましました。
「なんの音色だろう。どこから聞こえてくるのだろう。」