小川 未明
不死の薬
一
ある夏の夜でありました。三人の子供らが村の中にあった大きなかしの木の下に集まって話をしました。昼間の暑さにひきかえて、夜は涼しくありました。ことにこの木の下は風があって涼しゅうございました。
赤く西の山に日が沈んでしまって、ほんのりと紅い雲がいつまでも消えずに、林の間に残っていましたが、それすらまったく消えてしまいました。夜の空は深い沼の中をのぞくように青黒く見えました。そのうちに、だんだん星の光がたくさんになって見えてきました。
「さあ、またなにかおとぎ噺をしようよ。」