小川 未明
金の魚
昔、あるところに金持ちがありまして、なんの不自由もなく暮らしていましたが、ふと病気にかかりました。
世間に、その名の聞こえたほどの大金持ちでありましたから、いい医者という医者は、いずれも一度は呼んで、みてもらいました。けれど、どの医者にも、その病気の名がわかりませんばかりでなく、それをなおす見込みすらつきませんでした。そのうちに金持ちはだんだん体が悪くなるばかりでありました。
そのとき、旅からきた上手な占い者がありました。その男は、過去いっさいのことをあてたばかりでなく、未来のこともいっさいを秘術によってあてたのでありました。
金持ちは、せめてもの思い出に、自分の不思議な病気についてみてもらうことにいたしました。占い者は、金持ちの病気を占って、いいますのには、