小川 未明

ちょうと三つの石

あるところに、まことにやさしい女がありました。女は年ごろになると、水車屋の主人と結婚をしました。

村はずれの、小川にかかっている水車は、朝から晩まで、唄をうたいながらまわっていました。女も主人も、水車といっしょに働きました。

「なんでも働いて、この村の地主さまのように金持ちにならなければだめだ。」と、主人は頭を振りながら、妻をはげますようにいいました。

妻も、そうだと思いました。そして、それよりほかのことをば、考えませんでした。春になると、緑色の空はかすんで見えました。木々には、いろいろの花が咲きました。小鳥は、おもしろそうにこずえにとまってさえずりました。

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