小川 未明

北の国のはなし

あるところにぜいたくな人間が住んでいました。時節をかまわずに、なんでも食べたくなると、人々を方々に走らしてそれを求めたのであります。

「いくら金がかかってもいいから、さがしてこい。」と、その人はいいました。

ある日のこと、その人は、川魚が食べたいから、釣ってきてくれと、下男にいいつけました。

下男は当惑をしました。外を見ると真っ白に雪が積もっていました。どこを見ましても、一面に雪が地を隠していました。その村は、北の寒い国のさびしいところであったからであります。

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