小川 未明

教師と子供

それは不思議な話であります。

あるところに、よく生徒をしかる教師がありました。また、ひじょうに物覚えの悪い生徒がありました。教師はその子供をたいへん憎みました。

「こんなによく教えてやるのに、どうしてそれが覚えられないのか。」といって、教師は歯ぎしりをして怒りました。

けれど、その子供は、教えるあとから忘れてしまったのです。

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