小川 未明

神は弱いものを助けた

一

あるところに、きわめて仲の悪い百姓がありました。

この仲の悪い甲と乙とは、なんとかして甲は乙を、乙は甲をうんとひどいめにあわしてやりたいと思っていました。けれど、なかなかそんなような機会はこなかったのであります。

ある年の夏の日のことでありました。幾日も幾日も、天気ばかりがつづいて、雨というものがすこしも降りませんでした。そして、諸所方々の水が涸れてしまって、井戸の水までが日に日に少なくなるのでありました。

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