小川 未明
白すみれとしいの木
一
北の方のある村に、仲のよくない兄弟がありました。父親の死んだ後は兄は弟をば、むごたらしいまでに、いじめました。
弟は、どちらかといえば、気のきかない、おんぼりとした質で、学校へ行っても、あまり物事をよく覚えませんでした。だから、兄は弟をば、つねにばか者扱いにしていたのであります。
弟は気がやさしくて、けっして兄に対して手向かいなどをしたことがありません。いつも兄にいじめられて、しくしく泣いていました。
小川 未明
一
北の方のある村に、仲のよくない兄弟がありました。父親の死んだ後は兄は弟をば、むごたらしいまでに、いじめました。
弟は、どちらかといえば、気のきかない、おんぼりとした質で、学校へ行っても、あまり物事をよく覚えませんでした。だから、兄は弟をば、つねにばか者扱いにしていたのであります。
弟は気がやさしくて、けっして兄に対して手向かいなどをしたことがありません。いつも兄にいじめられて、しくしく泣いていました。