小川 未明

びっこのお馬

二郎は、ある日、外に立っていますと、びっこの馬が、重い荷を背中につけて、引かれていくのでありました。

二郎は、その馬を見て、かわいそうに思いました。どんなに不自由だろう。そう思うと、達者な馬は、威勢よく、はやく歩いていくのに、びっこの馬はそれに負けまいとして、汗を流していっしょうけんめいに歩いているけれど、どうしてもおくれがちになるのでありました。

「このびっこめ、はやく歩け……。」と、その馬を引いている親方は、ピシリ、ピシリとこの馬のしりを打つのでした。

二郎は、ぼんやりと立って、それを見送っていますと、やがて、往来をあちらの方へと、遠ざかっていったのであります。二郎は、まだ六つになったばかりでした。

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