小川 未明

石をのせた車

あるところに、だれといって頼るところのない、一人の少年がありました。

少年は、病気にかかって、いまは働くこともできなかったのであります。

「これからさき、自分はどうしたらいいだろう。」と考えても、いい思案の浮かぶはずもなかったのです。

いっそ死んでしまおうかしらんと考えながら、彼は、下を向いてとぼとぼと歩いてきました。いろいろな人たちが、その道の上をば歩いていましたけれど、少年の目には、その人たちに心をとめてみる余裕もなかったのであります。

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