小川 未明

塩を載せた船

赤ん坊をおぶった、男の乞食が町へはいってきました。その男は、まだそんなに年をとったというほどではありませんでした。

男の乞食は、りっぱな構えをした家の前へきますと、立ち止まって、考え込みました。それから、おそるおそる門の中へ入ってゆきました。

「どうか、なにかやってくださいまし。」と、声をふるわせて頼みました。

しかし、家の中では、その小さい声が聞こえなかったものか、返事がありませんでした。

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