小川 未明
遠くで鳴る雷
二郎は、前の圃にまいた、いろいろの野菜の種子が、雨の降った後で、かわいらしい芽を黒土の面に出したのを見ました。
小さなちょうの羽のように、二つ、葉をそろえて芽を出しはじめたのは、きゅうりであります。
そのほかにもかぼちゃ、とうもろこしの芽などが生えてきました。
きゅうりは、だんだんと細い糸のようなつるを出しました。お母さんは、きゅうりの植わっているところに、たなを造ってやりました。たなといっても、垣根のようなものであります。それに、きゅうりのつるはからみついて、のびてゆくのであります。