小川 未明
星と柱を数えたら
あるところに、広い圃と、林と、花園と、それにたくさんな宝物を持っている人が住んでいました。この人は、もうだいぶの年寄りでありましたから、それらのものを、二人の息子たちに分けてやって、自分は隠居をしたいと思いました。
けれど、兄のほうも、弟のほうも、そろって怠け者でありました。兄のほうは、一日仕事もせずに、ぶらぶらと家の中で遊んでいました。そして、圃へ出て働いたり、外を歩いたりすることが大きらいでありました。
弟のほうは、兄とちがって、すこしも家におちついて勉強をするということがなかったのです。一日、外を遊びまわって、日が暮れると家を思い出して帰ってくるというふうでありました。しかし、圃へ出て働くということは、兄と同じように大きらいでありました。
二人の息子たちが、こんなふうに怠け者でありましたから、父親はほんとうに困ってしまいました。行く末のことなどが案じられて、どうかして、いい子供になってくれぬものかと、そればかり心に念じていました。