小川 未明

赤土へくる子供たち

一

釣りの道具を、しらべようとして、信一は、物置小舎の中へ入って、あちらこちら、かきまわしているうちに、あきかんの中に、紙につつんだものが、入っているのを見つけ出しました。

「なんだろうか。」

頭を、かしげながら、ほこりに、よごれた紙を、あけてみると、べいごまが、六つばかり入っていました。信一は、急になつかしいものを、見いだしたようにしばらくそれに見入っていました。そのはずです。一昨年の春あたりまで、べいごまが、はやって、これを持って原っぱへ、いったものです。それが、べいのやりとりをするのは、よくないというので、お父さんからも、先生からも、とめられて、ついみんなが、やめてしまったが、ただ記念にしようと思って、これだけすてずに、紙に包んで、しまっておいたことを、思い出しました。

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