小川 未明
兄と魚
正二は、夏のころ、兄さんと川へいっしょにいって、とってきた小さな魚を、すいれんの入っている、大きな鉢の中へ入れて、飼っていました。
そのうちに、夏も過ぎ、秋も過ぎてしまって、魚は川にいれば、もう暖かな場所を見つけて冬ごもりをする時分なのに、鉢の中では、そんなこともできませんでした。
寒い風が、野の上や、森をふく、ある日のことでありました。
「おや、魚が死んでいる。正ちゃん、早くおいで。」と、庭へ出た兄さんが呼びました。
小川 未明
正二は、夏のころ、兄さんと川へいっしょにいって、とってきた小さな魚を、すいれんの入っている、大きな鉢の中へ入れて、飼っていました。
そのうちに、夏も過ぎ、秋も過ぎてしまって、魚は川にいれば、もう暖かな場所を見つけて冬ごもりをする時分なのに、鉢の中では、そんなこともできませんでした。
寒い風が、野の上や、森をふく、ある日のことでありました。
「おや、魚が死んでいる。正ちゃん、早くおいで。」と、庭へ出た兄さんが呼びました。