小川 未明
生きぬく力
「孝二、おまえでないか。」
「僕、そんなところへさわりませんよ。」
玉石の頭から、すべり落ちた青竹を、口をゆがめながらもとへ直して、おじいさんは、四つ目垣の前に立っていました。いたずら子がきて、抜こうとするのだと思ったのです。竹馬にするには、ちょうど手ごろの竹だからでした。しかし、この辺の子供には、そんな悪い子がないと考えると、植木屋の締め方が足りなかったのかと、しゅろなわの結び目をしらべてみたが、そうでもなさそうでした。
平常から、若いものが戦争にいって死ぬのに、自分は、長く生きすぎたと思っているおじいさんは、