小川 未明

かねも 戦地へ いきました

一

おてらの けいだいに 大きな さくらの 木が ありました。ことしも つぼみが たくさん ついて、もう ふくらみかけました。かみさまは、いろいろの 木たちに、こう して 年に 一ど、花を さかして、この よの中の ありさまを みせて くださるのでした。

さくらの 木の かたわらに、ふるい かねつきどうが ありました。そこには、むかしからの 青さびの した かねが、さがって いました。花は だれよりも はじめに、かねに あいさつを し、それから かわいい はとに、また すこし はなれて たって いる すぎの 木に、こえを かけようと おもいました。風は あたたかく、日は うららかに てって、いい お天気で ありました。

ちょうど その とき、

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