小川 未明

金色のボタン

ゆり子ちゃんは、外へ出たけれど、だれも遊んでいませんでした。

「みんな、どうしたんだろう。」と、往来の上をあちらこちら見まわしていました。けれど、一人の子供の影も見えませんでした。

そのうち、ポン、ポンと、うちわ太鼓をたたいて、げたのはいれのおじいさんが、小さな車を引きながら、横町から出てきました。そして、ゆり子ちゃんの立っている前を通って、あちらへいってしまいました。

つばめが、ピイチク、ピイチク、鳴いて、まぶしい大空を飛んでいます。

青空文庫の作品カード