小川 未明
煙と兄弟
うすぐもりのした空を、冷たい風が吹いていました。少年は、お母さんの、針仕事をなさる、窓のところで、ぼんやり、外の方をながめていました。もはや、木の葉がうすく色づいて、秋もふけてきました。
「さっきから、そこで、なにを見ているの。」と、お母さんが、少年のようすに気がついて、聞かれました。
「ぼく、煙を見ていたの。」
お母さんは、ちょっと手を止めて、その方を見ると、となりの家の煙突から青白い煙が上っていました。
小川 未明
うすぐもりのした空を、冷たい風が吹いていました。少年は、お母さんの、針仕事をなさる、窓のところで、ぼんやり、外の方をながめていました。もはや、木の葉がうすく色づいて、秋もふけてきました。
「さっきから、そこで、なにを見ているの。」と、お母さんが、少年のようすに気がついて、聞かれました。
「ぼく、煙を見ていたの。」
お母さんは、ちょっと手を止めて、その方を見ると、となりの家の煙突から青白い煙が上っていました。