小川 未明
正二くんの時計
正二くんは時計がほしかったので、これまでいくたびもお父さんや、お母さんに、買ってくださいと頼んだけれども、そのたびに、
「中学へ上がるときに買ってあげます。いまのうちはいりません。」というご返事でした。
戦争がはじまってから、時計は、もう外国からこなくなれば、国内でも造らなくなったという話を聞くと、正二くんは、
「売っているうちに、早く買ってもらいたいものだ。」と思ったのです。それで、お父さんに向かって、またお頼みしたのでした。すると、
小川 未明
正二くんは時計がほしかったので、これまでいくたびもお父さんや、お母さんに、買ってくださいと頼んだけれども、そのたびに、
「中学へ上がるときに買ってあげます。いまのうちはいりません。」というご返事でした。
戦争がはじまってから、時計は、もう外国からこなくなれば、国内でも造らなくなったという話を聞くと、正二くんは、
「売っているうちに、早く買ってもらいたいものだ。」と思ったのです。それで、お父さんに向かって、またお頼みしたのでした。すると、