小川 未明

春はよみがえる

太陽ばかりは、人類のはじめから、いや、それどころか、地球のできたはじめから、光のとどくかぎり、あらゆるものを見てきました。この町が火を浴びて、焼け野原と化し、緑の林も、風に吹かれた木立も、すべて、あと形もなくなったのを知っていました。

いつしか、そのときから、はや五、六年たったのであります。

「いま一度、起き上がる気があったら、力をためすがいい。」

長い間、自然の栄枯盛衰を見てきた、偉大な母である太陽は、町の焼けて焦土となったその日から、下を見下ろして、こういいました。

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