小川 未明

芽は伸びる

一

泉は、自分のかいこが、ぐんぐん大きくなるのを自慢していました。にやりにやり、と笑いながら、話を聞いていた戸田は、自分のもそれくらいになったと思っているので、おどろきはしなかったが、誠一は、ひとり感心していました。お母さんが、きらいでなければ、自分もかいこを飼いたいのです。なんでお母さんは、あんな虫が怖いのだろう。お母さんや、妹が、かわいい顔をしているかいこを、気味わるがっているのが、不思議でたまらなかったのであります。そこへ、ちょうど理科の長田先生が通りかかられました。

「君たち、なにをしているね。」と、みんなの顔を見て笑っていられたのです。

「おかいこの話をしていたのです。先生、僕のおかいこは大きくなりました。」と、泉が、いいました。

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