小川 未明

山へ帰ったやまがら

英ちゃんの飼っているやまがらは、それは、よく馴れて、かごから出ると指先にとまったり、頭の上にとまったり、また、耳にとまったりするので、みんなからかわいがられていました。

はじめのうちは、外へ飛び出すと、もうかごへはもどってこないものと思って、障子を閉めて、へやの中で遊ばしたものです。しかし、長いうちにいつしかここが、自分のすみかと思ってしまったので、すこしばかり遊ぶと、またかごの中へ入ってしまいました。そして、ここがいちばん安心だというふうに、頭をかしげて、いままでさわいで疲れたからだを、じっとして休めるのでありました。

「こんないい鳥はめったにないよ。」と、英ちゃんは、平常から自慢していました。

「どの鳥だって馴れれば同じさ。しかし子飼いでないと、なかなかこんなにならないそうだね。」と、兄さんがいいました。

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