小川 未明

こいのぼりと鶏

泉水の中に、こいと金魚が、たのしそうに泳いでいました。しかし、黒いねこが、よくねらっていますので、ゆだんができませんでした。いつ、つかまえられて、食べられてしまうかしれないからです。

「私が、見張りをしてあげましょう。」と、毎日、泉水のほとりで遊んでいる鶏がいいました。鶏は、すばしこかったから、けっして、ねこにとらえられるようなことはありませんでした。

「どうぞ、おたのみいたします。」と、こいと、金魚はいいました。

鶏は、毎朝小舎の屋根に飛び上がって、いい声で、ときをつくりました。そして、黒いねこが泉水の近くを歩いていると、コケッコ、コケッコといって、泉水の中の金魚や、こいにも、注意をしたのであります。

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