小川 未明

チューリップの芽

チューリップは、土の中で、お母さんから、世の中に出てからの、いろいろのおもしろい話をきいて、早く芽を出したいものと思っていました。

「ちょうちょうは、どんなに、美しいの?」と、お母さんにたずねたりしました。

「そんなに、いそいではいけません。いい時分になったら、お母さんがいってあげます。それまでは、おとなしくして、待っておいでなさい。」と、お母さんは、さとされました。

けれど、今年出るチューリップは、がまんしていることができませんでした。

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