小川 未明
お母さんのお乳
赤ちゃんは、お母さんのお乳にすがりついて、うまそうに、のんでいました。
それをさもうらやましそうにして、五つになったお兄さんと、七つになったお姉さんとがながめていました。
兄さんは、ついに我慢がしきれなくなったとみえて、お母さんのお乳に、小さな手をかけようとしました。すると、赤ちゃんは、顔を真っ赤にして、かわいらしい頭をふって、さわってはいけないといって怒りました。
「よし、よし、お兄さん、おっぱいにさわってはいけませんよ。これは、赤ちゃんのお乳ですから。」と、お母さんは、笑いながらいわれました。