芥川 竜之介
産屋
男は河から蘆を切つて來て、女の爲に産屋を葺いた。それから又引きかへして、前の河の岸へ行つた。さうして切りのこした蘆の中に跪いて、天照大神に、母と子との幸ひを祈つた。
日がくれかかると、女は産屋を出て、蘆の中にゐる男の所へ來た。
さうして「七日目に又來て下さい。その時に子どもを見せませう。」と云つた。
男は一日も早く、生まれた子が見たかつた。が、女の頼みは、父らしく素直にうけあつた。
芥川 竜之介
男は河から蘆を切つて來て、女の爲に産屋を葺いた。それから又引きかへして、前の河の岸へ行つた。さうして切りのこした蘆の中に跪いて、天照大神に、母と子との幸ひを祈つた。
日がくれかかると、女は産屋を出て、蘆の中にゐる男の所へ來た。
さうして「七日目に又來て下さい。その時に子どもを見せませう。」と云つた。
男は一日も早く、生まれた子が見たかつた。が、女の頼みは、父らしく素直にうけあつた。